東京地方裁判所 昭和25年(ワ)716号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(事實と判斷)本件は、家屋の賃借人である被告が擅に家屋敷地内に存する柿の木から柿の実を採取したということを理由として、原告(家屋及びその敷地の所有者)から提起された不法行為による損害賠償請求事件である。
本件判決は、本件の場合被告に果実採取権ありとして、その理由を次の如く述べている。
「通常、家屋の賃貸借契約においては、特に反対の明示の意思表示がない場合には、その家屋敷地内に存する果樹の果実等はそれが特に果樹園等の如く賃貸人側の特別の労力と費用とで栽培せられているものでない限り、賃借人に通常の方法に従つてこれを採取せしめる旨の暗默の合意があるものと解するを相当とするところ、前段認定の××の事実に徴すれば、原被告間に本件家屋の賃貸借に際し、原告は被告に対しその敷地内に存する柿の木の実を採取することの暗默の同意を与えたものというべく、したがつて被告が本件柿の実を採取した行為を不法なものと断ずることはできない。」